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くくりわな埋設方法と設置のコツ!現役猟師23の手順【初心者必見】

くくりわな埋設のコツと手順

くくり罠の捕獲率アップの秘訣【その17】
よーし、シカやイノシシを獲るぞ~!
狩猟免許も登録証も取った!
くくり罠もゲット!

で、山に来たのはいいけど、
くくり罠ってどうやって設置すんの?

初心者がぶち当たるのが、【この壁】
事実くくり罠ってなかなか掛かりません。

私の初心者時代、50日間山に通って鹿一頭。

そこで、くくり罠の埋設の方法やコツ、秘訣を
40枚以上の写真や動画を使い、詳細に紹介!

コレをしっかり読んで、実践したら
あなたの罠埋設テクは、初日から
罠猟歴9年レベルに一気にワープ!


シカやイノシシがきっと獲れますッ!!

尚、説明で使う罠は、
下の写真のようなバネ式のくくり罠を
使う場合を例としています。

神の板
目次

くくり罠設置の具体的手順

これからくくり罠の設置手順を

詳細に、わかりやすく、こと細かに説明します。

くくり罠の設置方法となぜそうするのか、
詳しい理由も説明します。(下記のイエロー部分)

ここに詳しい理由を説明します


Youtube等でも設置方法はありますが
なぜそうするかを詳しく説明されていないものも
あります。

ここでは疑問が残らないように詳しく、丁寧に
かみ砕いて説明していきます。

下準備1-ラジオを付け、眼鏡をかけ、手袋をする

くくり罠は基本、山で設置します。
山にはツキノワグマやヒグマがいます。

クマさんと遭遇を避けるため
ラジオを付けましょう!
いや~、クマよけ鈴付けてるから、
ラジオなんていらないよ~って思いました?

ダメですよ~。
鈴はカバンを置いたり、止まってると鳴なりません。
だからいつも音が鳴るラジオがいいんです!

また、罠を設置する際に土や砂などの異物や
罠の誤爆でワイヤーなどが目に当たる可能性があります。

大切な眼を守るために
必ず眼鏡をしましょう!

眼鏡は日ごろ掛けない方は、
度の入っていない、100均の伊達メガネで十分です。

まずは安全に配慮することが大切です。

そして、獲物を獲るにはニオイ対策は必須!
必ず手袋をしましょう!

こんな風に、手のひらにゴムが付いたのがオススメ!

私の愛用手袋 滑り止め付き手袋 100均で買いました♪


ちなみに私は100均で同じものを3つ買い
それを回転させて使ってます。

素手でやると、あなたのニオイが土やくくり罠に
移ってしまいます。

こうなると鼻の良いイノシシやタヌキに罠がカンタンに
察知され、罠が掘り返される要因となります。
手袋を忘れると捕獲率がグッと下がります。

捕獲率を上げたかったら、手袋を必ずしましょう!

また手袋をしたら、手の怪我や手の汚れ、
爪の間に土が入るのを防止できますよ。

罠設置にはラジオと眼鏡と手袋を!

ラジオはクマを避け、生還する為
眼鏡は眼の怪我防止の為
手袋はニオイを残さず、捕獲率を上げる為

下準備2-ピクニックシートを敷く

くくり罠設置する際はピクニックシートを敷こう!

ココだという場所を決めたら
そのすぐそばにピクニックシートを敷き
荷物や道具、罠などすべてその上に置きます。

くくり罠設置時は全ての道具とあなたの体をピクニックシートの上に置こう


くくり罠設置作業もすべてこのピクニックシート上で
行います。

ちなみに、片面に【表】とか【ウラ】って書いとくと
汚れた面に膝が汚れませんよ。

あなたのニオイを残さず、獲物に察知されない為と
道具や部品の紛失や置忘れを防ぐ為です。

尚、罠の埋設に必要な道具については
こちらの記事にまとめています。
気になる方はどうぞ!

あわせて読みたい
くくり罠設置に必要な持ち物と道具26選!わな架設時の必携グッズ! 【くくり罠猟の豆知識22】 くくり罠を始めたばかりの方には山に何を持って行ったらいいのか?ちょっと迷います。実際山に着いてから、「アチャー、アレ忘れた~(泣...

くくり罠のバネを縮めて準備する

次に、くくり罠本体とバネ部分を用意します。

バネの先のワイヤー部分を広げて
くくり罠にセットします。

くくり罠にワイヤーをセットする


ワイヤーの端っこを押しても揺れない木に
巻き結びで結びつけます。

くくり罠をセットする際はワイヤーを立ち木に巻き結びで!


その際、必ず平らな場所でしましょう。
急斜面などですると転倒する場合があります。

パイプを持って引っ張って、バネを縮めます。

くくり罠のバネを縮めます。

バネをしっかり縮めたら、パイプ下部のワイヤー止めを
しっかり締めます。

バネを収めるパイプ下部の蝶ネジをしっかり締めましょう!

これで罠は稼働する状態です。
罠は正常に稼働するか、一度実際に稼働させて
確認するようにしましょう!
 

くくり罠は設置前に必ず作動確認を!

くくり罠の作動確認は重要事項です。
必ず実行して、確認しよう!

作動確認は重要です。必ず実行しよう!

正常に作動しない理由は沢山あります。
必ず一回は作動させて、正常か否かを確認しよう!


よくある問題は下記の通り

●ワイヤーが縮こまらず、輪が大きすぎ
 ≫ ワイヤーの変形で引っかかる
  バネの劣化で伸長力が低下してる
 ≫ 締め付け防止金具位置が長すぎ
 ≫ くくり金具の変形で滑らない 
 ≫ 設計ミスでバネの伸長が足りない

●そもそも作動しない
 ≫ くくり罠の加重設定が重すぎ
 ≫ ワイヤー止めの締めが足りず、緩すぎる


これらの問題があると、
せっかく上手に埋設して、獲物が罠を踏んでも
空ハジキとなり、獲物は逃げてしまいます。

くどいかもしれませんが
必ず埋設前に一度は作動確認をしましょう!
とても重要な作業工程です。

凄腕猟師と言われる人達は面倒くさくても
決して確認を怠らず、千載一遇のチャンスを逃しません。
だから彼らは確実に、沢山獲れるのです。

罠のバネを縮める準備は必ず平たんな場所で。
準備したら、必ず一回正常に稼働するか作動させる。

空ハジキについては
こちらに別記事をまとめました。
気になる方はどうぞ!

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設置する場所の枯葉や枝を除去する

最初にココと定めた場所の枯葉や枝を円状に
直径30センチ程度でいいのできれいに端に寄せて
除去します。

左は除去前、右は除去後

罠の場所の枝や葉をのける

穴を掘る際、邪魔になるので端に寄せます。
葉っぱ等は後で使うので遠くに捨てません。

穴を掘って、表土を大事にとっておく

ここから穴を掘っていきますが、
穴の大きさは罠よりも数センチ大きい程度でOKです。

そしてここでとっても大事なのが、
地面の表面から2センチ程度の表土は絶対捨てない!
必ず取っておきましょう!

くくり罠設置時は表土は後で使います。重要なので必ず取っておく


厚手のビニール袋等に入れて、大事に取っておきます。
この表土を取っておくのが、わな埋設時の秘訣です。

罠を設置後、最後にこの表土を戻します。
ニオイや色が全く同じで、察知されないからです。

穴をもっと掘り、土は折り畳みバケツに

表土を取り終えたら、
罠の高さプラス2センチ程度深く掘ります。

例えば、罠の高さが4センチなら、プラス2センチで
深さ6センチの穴を掘ります。

表土はビニールに、その下の土は折り畳みバケツに入れる


掘った穴の土は折り畳みバケツに入れておきます。
この土もあとで少し使います。

罠の高さ+2センチ深く穴を掘りましょう。
罠が露出しないようにするためです。

折り畳みバケツに土を入れるのは作業性がよく
捨てる際に便利だからです。

折り畳みバケツの持ち手ロープ

罠本体を置く部分を平らに整地する

穴が掘れたら、底部分をきれいに整地します。
この際、必ず凸凹しないように平らにします。

罠設置用の穴の底は平らに。凸凹はNG


穴の底に凹凸があるのはダメです。
大きな石や太い根っこがあったら除去して、
必ず平らにしましょう。

獲物が罠に足を置いたときにガタガタせず、
罠を正常に作動させるために必要です。

縦引きの穴をあける ← 推奨事項1

オーソドックスなバネ式くくり罠の設置には
●縦引き (土中に縦に埋める為、上部に射出される)
●横引き (地面と平行に埋める為、横向きに射出される)

があります。

捕獲率は上部に射出される縦引きの方がいいです。

パイプ部分の穴を開ける際に、大きな石や太い根など
障害物がなく、十分な深さの穴を開けられるなら
基本、捕獲率の高い縦引きの穴を掘ります。

罠設置のバネ筒は縦引きがオススメ!捕獲率が高い♪

どうしても大きな石や太い根が邪魔で
穴が開けられない場合は横引きで設置します。

杭とハンマー(またはこぶし大の石)で。

私の猟場は石が結構、あちこちにあるので
荷物を減らす意味で石をよく使います。

罠設置の際の杭打ちは石でもいいよ

罠のすぐそば、1~2センチ横に穴をあけます。

罠設置の穴掘りがすべて完了した写真

穴の深さは垂直に埋めた時にワイヤーやパイプが
決して露出しないように、地面から2センチ以下
になるようにします。

捕獲率の高い、縦引きの穴をあけます。
作動時、獲物の足の上部をしっかりくくれるので。

パイプ部分の上部はニオイを察知されないよう、
必ず地面より2センチ程下に来るよう調整し埋設します。

罠本体とパイプ部分を設置し、小枝を4本刺す

穴が2つ掘れたので、
実際に罠本体とパイプ部分を設置します。

その際に、
最初にパイプ部分を縦に挿入し、
次に罠本体を置きます。

くくり罠を仮置きした状態

それが終わったら、
近くにある割りばし程度の小枝を4本探します。

罠の位置確認用の小枝を4本拾って用意する。


4本の小枝は、罠本体の外周の4等分した
位置に刺します。

くくり罠の周りには小枝を4本等分に刺していこう

この4本の小枝、後で役に立つんですよ~♪

罠を土で埋設すると、どこに埋めたかわかりません。
この4本の小枝が正確な罠の位置を教えてくれます。

罠本体部を土で埋める【第一次埋め立て過程】

罠本体部分の埋設方法です。

罠を穴に置いたら、折り畳みバケツの中から
出来るだけサラサラの砂や土を使って、罠本体の
ワイヤー外側に入れて、罠が見えないようにします。

くくり罠の周りにはサラサラの土や砂を敷いていこう



この部分の土は、必ずサラサラの砂や土を使います。
罠作動時、跳ね上げやすい様にするためです。

ここには粘土質や石を使っては絶対ダメです。


罠中心部にも砂や土を入れていきますが
その際、土を固めようと押さないように!
罠が作動してしまいます。


また、作動すると、ワイヤーが跳ねあがり
顔に当たる可能性があり、とても危険です。

真ん中は決して押さないように!

まず罠と同じ高さまで砂や土を敷こう

罠を土で埋めていく際、
土の深さは罠の最上部と同じ高さ迄、
地面から2センチ以下にします。

罠本体部分は必ず地面から2センチ下に。
獲物にニオイを察知されないように、
また雨や風で容易に露出しないようにする為です。

バネ筒部分を土で埋める【第二次埋め立て過程】

次にバネ筒部分の埋設方法です。

あと、バネ筒の中に石や砂が詰まって
作動不良にならない様、
筒上部に葉っぱを
数枚置いて、砂や石の流入を防ぎます。

バネ筒の上はまず葉っぱで覆い、それから土を乗せる。

それから上に土を乗せて、上方に発射しやすくします。
この際、土の高さは地面から2センチ下迄にしましょう。

バネ筒部分は砂や石流入で作動不良しないよう
葉っぱを数枚置いてから土を乗せます。

表土で罠を埋めます【最終埋め立て過程】

上記の第一次、第二次埋め立て過程で
罠本体の高さ、地面から2センチ下まで土を入れました。

今度はその土の上に、取っておいた表土を2センチ程入れて、
周りの地面とツライチ(同じ高さ)にします。



表土を入れて罠を完全に埋めてしまう

上の写真でもわかるように、
表土は周りの土と同じ色、ニオイも同じなので、
獲物に察知されにくいです。
表土はとても重要です。

表土で周りの地面と同じ高さにします。
これで罠本体が見えず、ニオイも色も
同じで獲物に察知されにくくなります。

魔法のふりかけをパラパラと

ここまでで、地面と同じ高さと色になっています。
ただ、周りの地面と比べると罠の上に葉っぱや枝が
何もない状態です。

このままだと賢い獲物にはまだまだバレバレで
警戒されてしまいます。

そこで、より巧妙にカモフラージュをします。

まず周りで乾燥したパリパリの葉っぱを探します。
そしてそのはっぱを手のひらで粉々に砕きます。

枯葉を砕いて【魔法のふりかけ】を作る

それを罠の上にふりかけましょう!
罠の位置は地面から枝が4本突き出ているので
その下がわなの正確な位置です。

罠の上に魔法のふりかけをかけた写真

罠の上に【魔法のふりかけ】を施すと
こんな感じになります。
もう、罠がどこにあるかわかりません。

この砕いた枯葉を、くくりカレッジでは
【魔法のふりかけ】と呼んでいます。

魔法のふりかけで周りの地面と分からないように
上手にカモフラージュしましょう。

でも、なぜ葉っぱをそのまま置いたらダメなのか?

それは罠が作動したときにそれら葉っぱを巻き込み
ワイヤーと獲物の足の間の潤滑油的な役割となり
逃げられる可能性が高まるからです。

こんな風に ↓  ↓  ↓

枯葉を大量に巻き込んだくくり罠


大量の葉っぱを巻き込んでくくってますよね。

罠の上に砕いていない葉っぱでカモフラージュすると
こうなっちゃうんです。

くくり罠でくくるのは何も獲物の足の上の方ばかり
とは限りません。
爪先にかかる場合もあります。

そんな時、多くの葉っぱを一緒に巻き込んでくくったら
葉っぱが潤滑油のような役割を果たし、ワイヤーが滑って
獲物の足から外れてしまいます。

コレを回避するため、【魔法のふりかけ】を作ります。

【魔法のふりかけ】なら、既に葉っぱを砕いているので
葉っぱは巻き込まれず、ワイヤーが直接獲物の足を
ガッチリくくってくれます。

表土をかぶせたら【魔法のふりかけ】を忘れずに!
カモフラージュ出来て、葉っぱを巻き込むことがなく、
ワイヤーで直接獲物の足をくくり捕獲率がアップ♪

ワイヤーを埋設する

罠本体の埋設はコレでOK
次はワイヤー部分の埋設。

罠から根付の木の方向に
5センチ以上の深さの溝を出来るだけ狭く
掘って行く。

くくり罠のワイヤーの埋設

溝が掘れたら、ワイヤーを埋めていきます。

その際、ワイヤーが浮き上がってくるようなら
周りに落ちている小枝を使ってワイヤーを
押さえるようにして、溝の側壁に刺していく。

くくり罠のワイヤー埋設時浮いてくるなら小枝で対応

もしくは多めの土で押さえて、その上にこぶし大以上の
石を置くと言う手もあります。


こうすることでワイヤーの浮き上がりを押さえ
ワイヤーの露出を回避出来ます。

ワイヤーが露出せず、ニオイを察知されない様、
深さ5センチ以上の溝を根付けの木まで掘っていく。

ワイヤーの浮き上がりは小枝を溝側壁に斜めに刺す
もしくは土とこぶし大以上の石で浮き上がりを抑える。

根付の木にワイヤーをくくり付ける

罠とワイヤーの埋設は完了。

次は根付け作業です。
この根付け作業を忘れると
せっかく掛かった獲物が100%逃走します。
しっかり行いましょう!

根付けに最適なのは下記3つ。
1.最低でも手首以上の太さの生きている木。
 ≫ 青葉が付いているなら生きている証拠
 ≫ 大物が生息するエリアなら足首以上の太さの木

2.太い倒木
 ≫ たとえ死んでいても、太い倒木(直径20cm以上)
   なら引きずって逃走は出来ない。倒木も利用しよう!

3.大木の根っこ。
 ≫ 斜面の大木は根が露出していることがある。
   少し掘ると、太い根っこを利用できる場合もある。 

木にくくる場合は巻き結び(クローブヒッチ)をする。

根付の木には巻き結びで

巻き結びは慣れればカンタンで、
とても信頼のおける結び方です。

巻き結びの方法は下記の動画を参考にして下さい。


巻き結びなら、獲物が動いてもクルクル回りません。
獲物が動いてワイヤーが木に巻きついたら
可動範囲が狭まり、止め刺しが容易になります。

巻き結びで根付の木に結んだら、
最後はシャックルでワイヤーに固定します。

シャックルのピンはペンチでガッチリ固定するより
園芸用のワイヤーでシャックル本体に巻き付ける
工具不要で外れませんよ。

くくり罠のシャックルのゆるみ止めは園芸針金でOK!


要はピンが回転して外れなければいいのです。

だからピンを手で回して軽く締めたら
後はネジが回転しないように園芸用針金をシャックルに
巻き付け、何度も針金をねじったら、OK!

詳しくはこのページを読んでください。

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根付作業は獲物を逃がさない為の
重要な作業です。
忘れずにキッチリ行いましょう!


尚、根付けの木の前に手首より細い木が
生えていたら、それに止め結びで固定し、
それから根付けの木にワイヤーを巻きつけるといいです。

止め結びは誰でも知ってる一番簡単な結びです。
一応参考までに動画を下記にのせときます。

こうやって、根付の木の前に、細い木に
止め結びをしておくと、獲物が掛かった時、
細い木のたわみが天然のクッションとなります。

これで獲物の足への負担が減り、足の皮が擦り剝けたり、
開放骨折を回避して彼らの苦痛を軽減出来ます。

根付けしないと獲物は100%逃げます。
太い木、太い根、太い倒木などに巻き結びして
シャックルで絶対外れないようにしましょう!

細い木に止め結びをしてから根付の木に
ワイヤーを固定すると、細い木がクッション
になり獲物の苦痛軽減になる。

根付けのワイヤーを隠ぺいする

今の段階は根付の木などにワイヤーが巻かれて
露出している状態です。

次にこのワイヤーを隠す必要があります。
ワイヤーの隠蔽に使うのは
●枯葉や杉の葉
●枝や木の棒
●樹皮
●苔
●土
●石
●雪


等、罠の周りにあるもので
使えそうなもので、不自然でなければ
なんでも使います。

良く使うのは葉っぱや杉の葉。
木の棒や枝、樹皮なんかも時々使います。

根付のワイヤーを枝や葉っぱなどで完全に隠すこと

雪が沢山積もっている場合は雪でもOK

大事なのは、絶対どの角度から見ても
見えないようにすること。

特に獣道の上を歩いてみて
ワイヤーが絶対見えないように
完全に隠します。

出来るだけ平らだといいです。
その為に、根付の木の周りの葉っぱや枝等を
全て除去してから、ワイヤーを設置します。

その後、元あった葉っぱや枝、その他周りの
ものを加えて完璧に隠します。

根付け周りのワイヤーを葉っぱ等で
完璧に隠し、獲物に罠があることを
絶対見つけられないように気を付ける。

根付けの木にくくり罠の標識を付ける

標識を付けることは法令で決まっています。
必ずつけましょう!

わな標識 見本




障害物で獲物の足を罠の上に誘導する

罠も設置し、根付も完了!

あとは、獲物に罠をどうやって踏ませるか?

その答えは
木の棒や石の障害物を効果的に配置し
罠の上に足を誘導します。

障害物を配置して罠を踏ませる工夫をする


配置方法は三つ
●梯子式
●八の字式

この障害物の配置の際に
罠の周りに刺した小枝が大切になります。


小枝が罠の正確な位置を教えてくれるので
罠の上には石や棒が掛からないように
慎重に配置します。


尚、障害物配置方法はこちらで詳細に紹介しています。
この配置方法が捕獲率を上げるキモになります。
よく読んで、方法をマスターしてください。

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石と木の棒を使って獲物の歩幅と
足の置き場を限定し踏ませる事が出来ます
このワザをマスターすると捕獲率アップ!

誘引餌を使っておびき寄せ、獲る!

押しの一手は誘引餌。
エサを使っておびき寄せれば勝負が早い。

近くに獲物がいれば、大抵2~3日以内に
エサを食べに来ます。
下の写真では矢印部分に餌を置いてます。

くくり罠に餌でおびき寄せる


あとは、効果的に餌を配置すれば
石と木の棒で足の置き場も制限され
あなたの設置した罠の上に足を置きます。

くくり罠、餌の配置 比較の写真

上述の餌の配置は上から2番目の餌は大量。
この餌の2-3m手前に、一握りの餌を2つ。
大量の餌を食べたいけど、とりあえず

手前の一握り餌を二つ味見しているうちに
左右に体を動かすとき罠を踏む、
そういう想定をしてこの餌の配置にしてます。

ちなみにこの誘引餌の配置で
見事イノシシが獲れました♪

このように、
誘引餌の配置方法の習得は重要で、
習得すれば勝負が早いですッ!


私は平らな石を見つけて
その上に餌を置くのが好きなので
いつもそうしてます。

誘引餌の配置方法については
別の記事で詳細に書いています。
良く学んで、自分のものにしましょう!

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エサについてはコチラに詳しく書いています。

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誘引餌を使えば数日で獲物をおびき寄せ
効果的な木の棒と石の配置方法で罠を踏ます事
が可能になります。
障害物とエサの配置方法が捕獲率アップのキモ!
必ずマスターしましょう!

罠の周りの目印の小枝を抜く

木の棒や石の障害物やエサを配置する時
とても役立った罠周りの小枝。

この小枝が無いと罠の正確な位置が判らず
障害物の配置にてこずるんですよね~。

でもここまで来たら、もう大丈夫。
ココで役目を終えます。

木の棒や石を配置後、小枝は必ず抜きます。

罠の位置確認用の小枝の除去

枯れた小枝が地面に刺さっているのは自然界で
とても不自然な事で、獲物に警戒されます。
必ず忘れず抜きましょう!

最後の〆はケモノ道を掃き清める

設置完了!
障害物置いて、エサも撒いた!
枝も抜いた!

あとは最後の〆だけ!

それは、
獣道の掃き清め!

獲物であるシカやイノシシが頻繁に通ってる
ケモノ道は何回も通ることで、木の枝や葉っぱが
蹴散らされキレイに何も落ちてない事が多いです。

掃き清めることで、シカやイノシシに
あなたがいつも通ってるケモノ道は
ここですよ~! とアピールします。


今日もココを安心してお通り下さいませ~
と念を送りながら、木の棒などを使って
掃き清めましょう!

手でやるとニオイが移るので・・・。

掃き清めるのは、罠の前後2m~3mほど
キレイにしといたらいいです。

道はキレイで、美味しいエサもあってウキウキ!
ちょっと油断して障害物を跨いだら、罠の上に
足を置いてしまい、ガシャンで御用!

と言うストーリーですね♪

設置がすべて終わったら、ケモノ道を
キレイに掃き清めて、シカやイノシシが
いつも通ってる道ですよ~と安心させましょう!

水をかけてニオイを消そう! ← 推奨事項2

ニオイを消すことは捕獲率アップに
とても有効です。

もし、近くに渓流や池、水たまりなどが
あるなら、折り畳みバケツで水を汲み
罠とその周辺に水を掛けましょう!

釣具屋さんで売ってる折り畳みバケツは
軽くてかさばらず、ビニールより丈夫で
とても重宝します。 ↓ ↓ ↓

折り畳みバケツは水も汲みやすい


水を掛けると、水で地下に押し流され
土も目が詰まってあなたや罠本体のニオイの
揮発が抑えられ、捕獲率がググっとアップします。

 

最後のお片付けも忘れずに!

ここまで出来たら上出来です。
但し、最後のお片付けもしっかりと!

気に掛けといたラジオ忘れた・・・。

スコップ置きっぱなしだった・・・。

バネの筒部分を掘る杭を置きっぱなし・・・。

などなど、あなたのニオイが付いたもの、
全ての道具や持ち物は忘れず持ち帰りましょう!

くくり罠の道具や持ち物は全て残さず持ち帰りましょう!

もちろん、くくり罠周辺で唾を吐いたり、
オシッコしたり、タバコやガムも
全部NGです。

ニオイをトコトン消しましょう!

ココまで出来る猟師が
獲物をゲット出来ます。

特にイノシシは相当慎重に対応しないと
まず掛かりません。

罠を設置したら忘れ物のないように!
手袋ひとつでも獲物は警戒し
そこから逃げてしまいます。

参考までにスゴイ動画を紹介します。
(Nozomi’s狩チャンネルのyoutube動画より)

イノシシの嗅覚、
恐ろしいです!

まだ小さいイノシシ達ですが、
ニンゲンのニオイを察知して、
速攻で逃げて行きます。


イノシシの嗅覚はニンゲンの8000倍
舐めたら獲れません!

心して罠を設置しましょう!

本日の授業は以上です。
今日の授業は超ロングバージョンでした。

最後に今日の授業内容をまとめます。

本日のまとめ
くくりわな埋設方法と設置のコツ!現役猟師23の手順【初心者必見】

くくり罠設置の具体的手順

①下準備1-ラジオを付け、眼鏡をかけ、手袋をする
②下準備2-ピクニックシートを敷く
③くくり罠のバネを縮めて準備する
④設置する場所の枯葉や枝を除去する
⑤穴を掘って、表土を大事にとっておく
⑥穴をもっと掘り、土は折り畳みバケツに
⑦罠本体を置く部分を平らに整地する
⑧縦引きの穴をあける ← 推奨事項1
⑨罠本体とパイプ部分を設置し、小枝を4本刺す
⑩罠本体部を土で埋める【第一次埋め立て過程】
⑪バネ筒部分を土で埋める【第二次埋め立て過程】
⑫表土で罠を埋めます【最終埋め立て過程】
⑬魔法のふりかけをパラパラと
⑭根付の木にワイヤーをくくり付ける
⑮ワイヤーを埋設する
⑯根付けのワイヤーを隠ぺいする
⑰根付けの木にくくり罠の標識を付ける
⑱障害物で獲物の足を罠の上に誘導する
⑲誘引餌を使っておびき寄せ、獲る!
⑳罠の周りの目印の小枝を抜く
㉑最後の〆はケモノ道を掃き清める
㉒水をかけてニオイを消そう! ← 推奨事項2
㉓最後のお片付けも忘れずに!


一つ一つは全て細かい事に思えるかも!
でもこの細かな事を忠実に実践したら
わな歴9年レベルに一気にワープ可能!


きっと獲物が獲れますよ♪

この手順を印刷し、山に持参しよう!
(上の①~㉓を指定範囲して上のなったら右クリックして、【印刷】を押したら印字出来ますよ!)

きっと数日後、イイコトありますよ♪

最後までお読みくださりありがとうございます。

ちなみに、このイノシシは、
今日の解説と同じ罠位置で
掛かったイノシシです♪ ↓

いのししさん


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この記事を書いた人

1968年生まれ、男性。
2015年1月21日にくくり罠の狩猟免許を取得。

住まいは山が近い場所でシカ、イノシシ、サル、タヌキが闊歩する自然豊かなところ。

近くの山でシカやイノシシを捕獲し、解体、精肉作業を行い、家族や両親、親戚、友人と感謝しつつ頂いています。

趣味は狩猟と釣り等アウトドア全般と読書、音楽と映画鑑賞、お菓子作り等多数。
仕事は自営業。家族は妻と子供2人。

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