狩猟で獲った鹿や猪の解体豆知識その13
罠猟を始めて、
獲物が獲れて、
ナントカ野外で解体した!
さて、この皮や骨、
いわゆる残滓(ざんし)
どうしたものか?
今回はこの問題を
現役猟師がわかりやすく解説します!
残滓ってなに?
残滓。
読み方は【ざんし】といいます。
一般には使わない漢字なので、
読むのも難しいですね。
私も罠猟師になるまで知りませんでした。
さて、この残滓、狩猟で獲った
獲物を野外で解体した際、不要になって
捨てる皮、骨、内臓、傷んだ肉
などを指します。
残滓の量は猟師の裁量に
大きく左右されます。
皮は革細工や釣りの毛ばりに利用可能。
骨はスープや工芸品にも出来ます。
内臓も、大腸や小腸なども
食べる方もおられます。
私も心臓、肝臓(レバー)、舌は
食べる為に持ち帰ります。
あと、傷んだ部位の肉、
いわゆる血肉(ちにく)と言われる
内出血を起こした肉。
コレも犬のエサとして活用できます。
このように、
獲物のどの部位を持ち帰り
どの部位を破棄するかは
猟師の裁量に大きく左右されます。
くくりカレッジ・猪之山校長の場合の残滓は?
私はと言うと、
肉と、心臓、肝臓、舌以外に
あばらや背骨を持ち帰り
スープを作ることもあります。
また立派な角の雄鹿が掛かったら、
頭部を持ち帰り、トロフィーを作ることも♪

ある北海道のハンターの場合の残滓は?
ちなみに、以前YOUTUBEでみた
北海道のハンターはエゾジカを獲っても
上等な背ロースのみを持ち帰ってました。
あとは雪で覆っておしまい!
キツネやその他等物が死臭を嗅ぎつけて
すぐに来て食べてくれるそうです。
有害駆除がメインのハンターの場合
また、同じハンターでも
有害駆除の方は年間100頭以上
獲る方もいます。
有害駆除の場合、
都道府県から【報奨金】なるものが
貰えるんですよね~。
地域によって違いますが、1頭当たり
数千円~2万円程度もらえる所も!
そんな方は捕獲の証拠に尻尾だけ持ち帰り
残り全部は山に埋設や焼却所に持ち込み
と言う猟師もいます。
私が属していた猟友会にも
ハンターの方がいて、年間100頭以上獲り
報奨金も軽く100万円越えしたと思います。
食べないので、しっぽ以外が全て
残滓として埋設か、焼却処分となります。
残滓処理時の注意点
残滓として山に埋設する時
いくつか注意点があります。
私が心掛けているのは
主に下の3つ。
林道や登山道の近くを避ける
林道や登山道は人が歩きます。
そこに動物の死体があると
気持ち悪いし、死臭も嫌ですよね。
だから、林道や登山道など
人が往来する場所から離れた場所に
埋めるようにしましょう!
民家の近くは避ける
田舎に行くと森のすぐ近くに
民家や住宅地があったりします。
また、鹿や猪も畑や田んぼをめざして
近寄り、ケモノ道が形成されています。
罠猟師としては、そんなケモノ道は
見回りもしやすいので罠を仕掛けたりします。
それはまだいいとして、
残滓は出来るだけ山の奥の方に
埋設しましょう。
コレは私の反省ですが
そのような場所で鹿を2頭捕獲
したことがあります。
しかも数日間で。
残滓も近くに埋めましたが
ナント残っていた罠に
熊が掛かりました。

民家から直線で70~80mほど
しか離れていませんでした。
獲物の残滓は熊にとって
めったに食べれない大ご馳走!
残滓を住宅街の近くに放置すると
人間の生活域へ熊を誘導してしまうので
出来るだけ森の奥に埋設しましょう!

熊の錯誤捕獲(さくごほかく)の体験談は
こちらに詳しく書きました。
気になる方はどうぞ!

同じ場所ばかりに埋設しない
腕が上がると、
獲物が掛かるようになります。
また、多くの獲物が通るケモノ道だと
短期間で数頭掛かることも!
そんな時も注意が必要!
残滓を同じ場所に埋めない事。
残滓はキツネ、タヌキ、トンビやカラス
だけでなく、熊も好んで食べます。
同じ場所に何度も残滓があると熊は
「ここはいつも美味しい肉がある♪」
と認識して、頻繁に来るようになります。
そうすると、たとえ山奥でも
罠の見回りに来た時、
あなたは熊と鉢合わせする
可能性が高まります。
そういった事態を避ける為、
同一場所で獲物が獲れても
残滓はあえて離して処理しましょう!
残滓の行方について

私の残滓の処理の仕方はこのようにします。
軽く穴を掘って、骨や皮、内臓などを置き
土や枯葉、枝などをかぶせて
見えないようにします。
血液なども、枯葉をのせて
見えないようにします。
そして、最後に、獲物に対して
あなたの命を無駄にしない事と
自然の恵みに感謝し、深く一礼します。
ところで、残された残滓、
どうなると思います?
最後に残滓の行方について書きます。
私の経験上こうなってます
【次の日】
皮や内臓はほぼ確実に
キレイさっぱりなくなります。
骨に付いた肉もだいぶ喰われてます。
骨は大体埋設場所から半径10m以内に動いてます。
まれに骨がどこかに運ばれて、
見当たらない事も!
【二日目】
骨に付いた肉は、
とてもキレイに喰われてます。
この時点で骨さえもどこかに
運ばれているは珍しくないです。
【三日目】
残っているのは骨だけ。
肉は見事なまでに喰われています。
骨さえも無いこともザラです。
回りをよく見たら、
毛ぐらいは残ってるかな?
と言う感じで
昼はカラスやトンビが
夜はキツネ、タヌキ、イノシシ、熊が
食べに来ているようです。
自然の自浄能力はとても高いです。

細かな肉片なども微生物が
キレイに処理してくれます。
この自然の自浄能力のお陰で
病原菌の異常繁殖が抑えられ
病気が蔓延するのを防いで
くれているんですね。
自然の力は本当にスゴイです!
本日の授業は以上です。
今日の学びをまとめます。
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【初心者に読んで欲しい記事】
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最後に
くくりカレッジ、猪之山校長
オススメの罠をコッソリ公開しちゃいます!
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神の板12センチ 10個
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神の板18センチ 10個
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私の住む地域は残念ながら
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