【狩猟で獲った鹿や猪の解体豆知識その19】
シカやいのししの血抜きって
どれ位の時間を掛けたらいいんだろう?
今回はくくり罠猟歴10年の
校長、猪之山が血抜きの必要性、
止め刺し方法2選、血抜き3段階、
血抜きに掛かる時間、解体方法2選迄、
詳しく紹介します。
なぜ血抜きが必要なのか?
せっかく仕留めた鹿や猪。
彼らの命に感謝しつつ、
美味しいお肉にしたいですよね?

美味しいお肉にするのに大事なのは
迅速な血抜き。
血液は腐敗や血生臭さの原因なので
血を抜くほど臭みのない、
美味しいお肉となります。
血抜きには3つの段階がある
今回は野外解体の場合を想定して、
血抜きの説明をします。
野外解体の場合、
血抜きには3つの段階があります。
カンタンに言うと、
●止め刺しによる血抜き
●解体前の血抜き
●解体のため、吊るした時
です。
詳しく見ていきます。
止め刺しによる血抜き
止め刺しの血抜き、
コレが一番大量の血液が抜けます。
止め刺し方法は主に二つあります。
●心臓への止め刺し
●頸動脈への止め刺し
結論から言うと、
頸動脈への止め刺しが
オススメです。
木刀やバットで、獲物を気絶させ、
のどにある頸動脈をナイフで切断します。

上の写真の白線部をナイフで完全に
切断します。
獲物は気絶しているので、痛みは軽減されます。
気絶しても心臓は動いているので、
心臓がポンプとなり、体中の血液を
体外へドンドン排出してくれます。
結果として、獲物を苦しませず、
体内から血が良く抜けた、
良い肉となります。
心臓への止め刺しだと、
すぐに死亡してしまいます。
その結果、心臓は停止し、血液は一部しか
排出されず、体内で残ってしまいます。
このことから、血抜きするなら
頸動脈を切断する止め刺しの方が
いいです。
止め刺しのナイフについては
こちらに別記事を書きました。
興味のある方はどうぞ!

解体前の血抜き
止め刺しをしても、
完全に獲物が死亡する迄
5分程度かかります。
2~3分すると、ほぼ動けなくなります。
その時に、
獲物を動かし、ちょっとした坂を
利用して、血抜きをします。
頭を下、腰を上にして
重力を利用して、血抜きを促進します。
そうやって血抜きしている間に、
野外解体の場合は、
下記の準備をします
●吊るすための木の選定
●吊るすロープを枝にかける
●滑車をロープに固定
●肉の仮置き場
●複数のナイフの用意
●湯沸かし(猪の場合)
●獲物の後ろ足を開いて固定
等です。
この準備に10~15分ほどかかるので
その間も、ちょっとした坂を利用して
血抜きをするといいです。
枝にロープを引っ掛けるのに
結構手間取ってしまい、
時間が掛かったりします・・・。
解体のために吊るした時
次に血抜き出来るのは
解体のために吊るした時です。
野外解体では獲物を立ち木に吊るし
解体します。
(これはイメージイラストです)

この時、後ろ足を縛って吊るすと、
頭がちょうど真下になるので、
重力のおかげで、血がドンドン抜けます。
吊るしたイノシシ ↓
(イラストはイメージです。)

重力と言うのは大したもんで、
ポンプである心臓が完全停止
していても、重力で血が抜けていきます。
解体には成獣の場合で
写真の段階からだと、
1時間半ほどかかります。
その間も、重力により
血は抜けていきます。
写真には写っていませんが
頭の下辺りは大量の血が
滴って真っ赤になっています。
結構な量の血が抜けていきます。
コレが最後の血抜きです。
ちなみに解体方法にも2通りあって、
●吊るしてやる方法
●台の上などで行う方法
がありますが、
台の上で解体すると、
重力による血抜きが殆ど出来ません。
だから、吊るしてやる方法の方が
血抜きの観点からするとベストです。
と言う感じで、
ここまで、3段階の血抜きを見てきました。
この3段階の血抜きをキッチリ行うと
上手に血抜き出来ます。
血抜きが上手に出来た肉は
臭みがなく、美味しい肉になります。
極上部位である鹿の背ロース ↓

血抜きにはどれ位時間がかかるの?
ここまで、血抜きの3段階を見てきました。
●止め刺しによる血抜き
●解体前の血抜き
●解体のため、吊るした時
時間にするとどれ位か?
止め刺し~解体前の血抜き、
合計で10~15分。
解体のための吊るしで60~90分
平均したら1時間30分ほど
血抜きに時間をかけている
事になります。
おまけ 美味しい鹿の焼肉の作り方
こうやって、じっくり血抜きをして、
1頭につき、6~7時間かけて精肉作業した鹿肉。
私は友人知人とのBBQで鹿肉を振るまいます。
するとこんな声が聞こえてきます。
「美味しいな~♪」
「シカってうまいな~♪」
「メッチャやわらかいな~♪」
なんて言葉がよく聞かれます。

また、昨年は京都の百貨店で
定年まで勤め上げた女性から
「近江牛より美味しいな~♪」
なんて、極上のほめ言葉も頂きました。
彼女は百貨店勤務で、いわゆる、デパ地下で
日本各地の美味しいもの沢山食べてきた人なのですが、
BBQの時、牛や豚、鶏肉はいつでも食べれると、
一切目もくれず、ずっと鹿肉だけを食べたそうです。
そして言っていたのが
「近江牛より美味しいな~♪」
と言うコトバでした。
このセリフをグルメ堪能してきた女性から
聞けたときはホントに嬉しかったですね。
まあ、このセリフが聞けたのは
徹底した血抜きと、
徹底した精肉作業、
そして、くくりカレッジ、猪之山校長の
秘伝である、焼肉レシピのおかげです。
え?
そのレシピも教えてって?
う~ん、仕方ないな~。
読者さんには特別に教えちゃいましょう!
こちらです。
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本日の授業は以上です。
今日の学びをまとめます。
本日のまとめ
ジビエ(鹿や猪)の血抜き時間はどれ位必要?くくり罠猟師必見!
血抜きには3段階ある
●止め刺しによる血抜き
●解体前の血抜き
●解体のため、吊るした時
血抜きに掛かる時間は
平均で1時間30分
ほど。
最適な血抜き方法は
●頸動脈への止め刺し
●吊るして解体
こうすることで、より上手に血抜きが
出来て、臭みのない美味しい
お肉になる。

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