【狩猟で獲った鹿や猪の解体豆知識その19】
シカやいのししの血抜きって
どれ位の時間を掛けたらいいんだろう?
今回は2015年からくくり罠猟を始めた
校長、猪之山が
●血抜きの必要性
●血抜きの3段階
●血抜きに掛かる時間
●2つの解体方法
迄詳しく紹介します。
猪之山校長この記事を読めば、
血抜きについて
バッチリ判るぞッ!
尚、この記事は野外解体を前提で執筆しています。
なぜ血抜きが必要なのか?
せっかく仕留めた鹿や猪。
彼らの命に感謝しつつ、
美味しいお肉にしたいですよね?


美味しいお肉にするのに大事なのは
迅速な血抜き。
血液は
●腐敗
●血生臭さ
の原因になりやすいです。



なので、迅速な血抜きをすれば
臭みのない、美味しいお肉
となるんだッ!♪
血抜きには3つの段階がある
今回は野外解体の場合を想定して、
血抜きの説明をします。
野外解体の場合、
血抜きには3つの段階
があります。
カンタンに言うと、
1.止め刺しによる血抜き
2.解体前の血抜き
3.解体時に吊るして血抜き
です。
詳しく見ていきます。
止め刺しによる血抜き
止め刺しの血抜き、
コレが一番大量の血液が抜けます。
止め刺し方法は主に2つあります。
●心臓への止め刺し
●頸動脈への止め刺し
結論から言うと、
頸動脈への止め刺し
がオススメです。
木刀やバットで、獲物を気絶させ、
すぐにのどにある頸動脈を
ナイフで一気に切断します。


上の写真の白線部をナイフで完全に
切断します。
獲物は気絶しているので、
痛みは軽減されます。
ココがポイント!
気絶しても心臓は動いているので、
心臓がポンプとなり、体中の血液を
体外へドンドン排出
してくれます。
結果として、獲物を苦しませず、
体内から血が良く抜けた、
良い肉となります。
心臓への止め刺しだと、
すぐに死亡してしまいます。
その結果、心臓は停止し、
血液は一部しか排出されず、
体内で残ってしまいます。
このことから、血抜きするなら
頸動脈を切断する止め刺しの方が
いいです。
止め刺しのナイフについては
こちらに別記事を書きました。
興味のある方はどうぞ!
👉 止め刺しとは?オススメ刃物(ナイフ)2選と位置【初心者必見】
解体前の血抜き
止め刺しをしても、
完全に獲物が死亡する迄
5分程度かかります。
2~3分すると、ほぼ動けなくなります。
その時に、
獲物を動かし、ちょっとした坂を
利用して、血抜きをします。
ココがポイント!
止め刺しをしたら、すぐに
頭を下、
足と腰を上にして
重力を利用して、血抜きを促進します。
そうやって血抜きしている間に、
野外解体の場合は、
下記の準備をします
●吊るすための木の選定
●吊るすロープを枝にかける
●滑車をロープに固定
●肉の仮置き場
●複数のナイフの用意
●湯沸かし(猪の場合)
●獲物の後ろ足を開いて固定
等です。
この準備に10~15分ほどかかるので
その間も、ちょっとした坂を利用して
血抜きをするといいです。
枝にロープを引っ掛けるのに
結構手間取ってしまい、
時間が掛かったりします・・・。
野外解体手順についてはコチラ
👉 罠猟の鹿猪解体手順|上手な血抜きで美味しい肉に!【初心者必見】
解体のために吊るした時
次に血抜き出来るのは
解体のために吊るした時です。
野外解体では獲物を立ち木に吊るし
解体します。
(これはイメージイラストです)


この時、後ろ足を縛って吊るすと、
頭がちょうど真下になるので、
重力のおかげで、血がドンドン抜けます。
吊るしたイノシシ ↓
(イラストはイメージです。)


重力と言うのは大したもんで、
ポンプである心臓が完全停止
していても、重力で血が抜けていきます。
解体には成獣の場合で
写真の段階からだと、
1時間半ほどかかります。
その間も、重力のおかげで
ずっとポタポタと血は抜けていきます。
イラストからは分かりませんが、
実際は頭の下辺りは大量の血が
滴って真っ赤になっています。
肉を取り終わった時には
結構な量の血が抜けてます。
コレが最後の血抜きです。
2つの解体方法について
ちなみに解体方法にも2通りあって、
●吊るしてやる方法
●台の上などで行う方法
がありますが、
台の上で解体すると、
重力による血抜きが殆ど出来ません。
だから、
吊るしてやる解体が
血抜きの観点からベスト
です。
と言う感じで、ここまで、
3段階の血抜きを見てきました。
この3段階の血抜きをキッチリ行うと
上手に血抜き出来ます。



血抜きが上手に出来た肉は
臭みがなく、美味しい肉になります。
極上部位である鹿の背ロース ↓


血抜きにはどれ位時間がかかるの?
ここまで、血抜きの3段階を見てきました。
1.止め刺しによる血抜き
2.解体前の血抜き
3.解体時に吊るして血抜き
時間にするとどれ位か?
●止め刺し~解体前の血抜き
合計で10~15分位。
●解体時に吊るして血抜き
大きさにより60~120分
平均したら、
1時間30分ほど
血抜きに時間をかけている
事になります。*
*獲物の大きさ、解体前準備や熟練度により大きく変動します。
今回紹介した野外解体には沢山の道具が必要です。
解体道具が気になる方はコチラ
👉 くくり罠猟初心者が買っても失敗なし!現役猟師愛用道具7選【解体編】
おまけ 美味しい鹿の焼肉の作り方
こうやって、じっくり血抜きをして、
1頭につき、6~7時間かけて
精肉作業した鹿肉。
私は友人知人とのBBQで鹿肉を振るまいます。
するとこんな声が聞こえてきます。
「美味しいな~♪」
「シカってうまいな~♪」
「メッチャやわらかいな~♪」
なんて言葉がよく聞かれます。


また、昨年は京都の百貨店で
定年まで勤め上げた60代女性から
「近江牛より美味しいな~♪」
なんて、極上のほめ言葉も頂きました。


彼女は百貨店勤務で、
いわゆる、デパ地下で日本各地の
美味しいもの沢山食べてきた人。
BBQの時、牛や豚、鶏肉は
いつでも食べれると、一切目もくれず、
ずっと鹿肉だけを食べたそうです。
そして言っていたのが
「近江牛より美味しいな~♪」
と言うコトバでした。
このセリフをグルメ堪能してきた女性から
聞けたときはホントに嬉しかったですね。
まあ、このセリフが聞けたのは
徹底した血抜き
徹底した精肉作業
そして、くくりカレッジ、猪之山校長が
鹿肉の焼肉向けに入念な調査と
試行錯誤を重ねてやっとたどり着いた、
秘伝タレのレシピ
のおかげです。
え?
そのレシピも教えてって?
う~ん、仕方ないな~。
ホントは門外不出なんだけど・・・。
くくりカレッジの生徒さんだけ!
特別に教えちゃいましょう!
こちらです。
鹿肉が近江牛並みに美味しくなるかも!?





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とっても美味しい焼肉になるの♪
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他のメニューが気になる方はコチラ
👉 調理科・グルメコース
本日の授業は以上です。
今日の学びをまとめます。
本日のまとめ
ジビエ(鹿や猪)の血抜き時間はどれ位必要?くくり罠猟師必見!
血抜きには3段階ある
1.止め刺しによる血抜き
2.解体前の血抜き
3.解体時に吊るして血抜き
血抜きに掛かる時間は
平均で1時間30分
ほど。
最適な血抜き方法は
●頸動脈への止め刺し
●吊るして解体
こうすることで、より上手に血抜きが
出来て、臭みのない美味しい
お肉になる。


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