【狩猟で獲った鹿や猪の解体豆知識その18】
ヒャッホー!! やったぜ~!!
罠猟師の歓喜の瞬間です。
獲れた感動に浸り、写真や動画
撮影が終わったら、いよいよ解体!
でも、初めての解体は
不安でイッパイ!!
蚊やハエをパチンと殺すのとは
訳が違うッ!!
そもそもこんな大きな動物、
どうやって解体すんの??
そんな解体初心者に手順を
解説します。
獲物の解体までの手順
獲物が掛かってから、
解体をスタートする前までの
手順は下記の通り。
獲物をくくっている場所を確認。
事故やケガが多いのはこの段階。
下記の事項を確認し、十分注意しよう!
≫ 足が切れかかっていないか?
≫ くくっているのがツメ部分でないか?
≫ ワイヤーで傷んで切れかかってないか?
上記問題がある場合は、
足がちぎれたり、ワイヤーが切れたりして
逃亡や突進の危険性あり!
(イラストはイメージです)

(リアルに見えますが、イラストです(笑))
獲物を気絶させる
獲物を苦しませないように
また自身の安全確保の為、止め刺し前に
殴打して気絶させます。
≫ 木刀やバット、鉄棒等で殴打します。
≫ シカとイノシシで殴打場所は違います。
≫ シカは後頭部、イノシシは眉間(みけん)。
ちなみに、
ワタクシ、くくりカレッジの校長・猪之山は
木刀を使っています。
先っぽが少し折れてるけど・・・。
コレです ↓

獲物の急所は鹿と猪で異なります。
詳しくは下記の記事を参照。

止め刺しをする

獲物を気絶させたら
気絶している間に
速やかに止め刺しを行う。

罠猟師が行う止め刺しは
2通りある。
1.ノドの頸動脈を切って失血死させる。
2.心臓を刺して、とどめを刺す。
1.はよく血が抜けるので【食べる派】
の方にオススメ。
2.は素早く致死に至るので
害獣駆除の方にオススメ
私は【食べる派】なので
1.のノドの頸動脈を切る
を採用しています。
もしあなたが【食べる派】なら
皆さんにこちらをオススメします。
理由は、最高の血抜きが出来るから。
ノドの頸動脈を完全に切断し
ノドから血液を放出させます。
心臓はまだ動いているので、ポンプとなり、
体中の血が自動でドンドン放出され
最高の血抜きになります。
心臓を刺すと、心臓が止まり、
脳にも酸素が供給されずすぐに死に
至ります。
ただ、ポンプの心臓もストップし、
体内の血はそれで止まってしまい
血が抜けていきません。
このことから、
ノドを刺して頸動脈を完全に切る方が
血が抜けてよりおいしいお肉になります。
尚、頸動脈は喉の両方にあるので
両方とも血管を切断します。
また止め刺し後、
5分ほどの間は獲物から
5メートルは離れていましょう。
止め刺しが不十分だったり
スゴイ奴だと、暴れたり
蹴りを入れてくることもあります。
5分経ち、獲物の瞳から
生気が消えていたら、傾斜を利用して
後ろ足を上に
頭を下にして
更に血抜きを促進します。
止め刺しのナイフについては
こちらの記事をお読みください。

ちなみに私は止め刺しする時
コールドスチールの
ブッシュマンを使っています。
丈夫で、カッコよくて、専用プラケースや
ファイヤースターターも付いてます。
いざという時は槍にも出来ますッ!
そしてリーズナブルです♪
もう10年ほど使っています。
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獲物を吊るす準備をする
止め刺し完了後、
獲物の瞳から生気がドンドン
失われていきます。
止め刺しが初めての場合
自分が獲物を殺めてしまった
罪悪感や悲しみで複雑な心境に
なります。
私も最初の1~2頭はそんな感じでした。
でも慣れてくると、
感傷に浸ることはなくなり、
次の準備に取りかかるようになりました。
解体方法は2つあります。
●台の上で寝かして解体する方法
●吊るして解体する方法
あなたが獲った獲物
を美味しい肉にしたいなら、
吊るすのがベストです。
(イラストはイメージです)

血液は血生臭さや腐敗の原因となります。
ですから肉の中に血液が少ないほど
風味のいい、美味しいお肉になります。
この理由から、吊るすことで、
重力により更に血液がドンドン排出され、
もっと美味しい肉になるのです。
止め刺しの次のステップは、
立ち木を利用して獲物を吊るす
準備をしていきます。
吊るすために、一番簡単なのは
滑車を使った道具を利用する方法です。
罠猟初心者の方はコレを使うのが
手っ取り早いです。
【解体ハンガー】
って言います。
コレを使うと獲物を吊り下げるのが
ラクチンです♪
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●滑車二つで獲物の重さがグンと軽い!
≫ 女性でも吊るせる!
●両サイドのフックに後ろ足を掛けるだけ!
≫ 初心者でも吊るすのカンタン!
●頑丈な作りで226㎏まで対応!
≫ 大物でも大丈夫!
●ハンガーは折り畳み式
≫ かさばらないから携行に便利!
●足を開いた状態に吊るせる!
≫ 解体時に超さばきやすい!
解体ハンガー
オススメですよ~♪
と、ここまでが解体準備。
大体30~45分かかります。
大物で止め刺しに時間がかかると
もっと時間がかかります。
解体ハンガーを使いたくない方は
こちらの記事をお読みください。

皮と内臓を除去する
吊るした後ろ足にクルッと切れ目を入れる。
1.後ろ足の内側から前足方向に切れ目を入れる。
2.皮を全て剥いでいく
3.膀胱を傷つけないように腹を開ける
4.内臓を出す。
5.その際、肝臓(レバー)と心臓を取る
1~5迄で40~70分ほど。
ちなみに、プロの領域になると
この工程をたった一分で
やってしまいます!
ちょっと写りは悪いですが
証拠の動画がコチラ
【超高速鹿解体】
この人、マジ、すごいです!
こんな風に高速解体出来たら
2頭かかってもコワくないですね。
尚、イノシシの場合は脂が多く
ナイフがすぐ切れなくなりますので
ちょっとコツがいります。
詳しくはこちらの記事を読んでください。

肉を取る
ここまで来てやっと肉を取れます。
●太もも~背ロース~内ロース~前足の肉を取る
●肉は筋膜ごとに覆われています、筋膜に添って分けます。
●あばらの骨間にナイフを全て入れてから
ナタであばら全体を背骨より切り取る
●ロープを緩め、地面に下ろし、舌を取る
●倒木の上で足、背骨、首とナタで骨を切り分ける
肉類は全てクーラーボックスへ
骨は入らない場合は、ビニール袋に入れ保管。
尚、骨は煮込んで大和煮用の肉や
骨からスープを取るためです
ここ迄で、40~60分。
残滓の埋設段階
欲しい肉や骨は全部取りました。
残った皮、内臓、頭、骨は
現地で穴を掘って埋めます。
ここ迄で10~15分。
と言うことで、解体の所要時間は
●解体準備 ≫ 30~45分
●皮・内臓の除去 ≫ 40~70分
●肉を取る ≫ 40~60分
●残滓の埋設 ≫ 10~15分
————————————
合計 2時間~3時間10分
となります。
野外解体の場合、
時間は獲物の大きさ、熟練度
設備、道具、天候、吊るすのに
適した立ち木の有無で変動します。
最後に解体には沢山道具が必要です。
必要な道具をまとめてみました。
こちらの記事をお読みください。

本日の授業は以上です。
今日の学びをまとめます。
本日のまとめ
罠猟の鹿猪解体手順|上手な血抜きで美味しい肉に!【初心者必見】
シカやイノシシが獲れたら、
解体手順は下記の通り。
1.獲物をくくっている場所を確認
2.獲物を気絶させる
3.止め刺しをする
4.獲物を吊るす準備をする
5.皮と内臓を除去する
6.肉を取る段階
7.残滓の埋設段階
解体は成獣の場合、1~7で
大体3時間ほどかかります。
初心者の場合、
もう少しかかるかもしれません。
特に1.が一番危険です。
獲物に逆襲されたり、蹴られて
ケガや死亡に至らないように
慎重に、十分気を付けて下さい!
こちらの記事もオススメ!

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